自然妊娠のしくみ

妊娠成立まで

01.規則正しい月経と排卵の仕組み

性成熟女性の卵巣には約10万個もの原始卵胞が埋胞されています。これらは、月経周期の2日目ぐらいから下垂体ホルモンであるFSH(卵胞刺激ホルモン)に反応して約10数個の卵胞が選択されます。選択された卵胞は、FSHとLH(黄体化ホルモン)の律動的な分泌刺激によってほとんどが閉鎖卵胞のまま消滅し、1つだけが主席卵胞(成熟卵胞)として残り排卵に備えます。

 一方、成熟卵胞は十分な卵胞ホルモン(エストロゲン)を作り出し血液中に蓄積されていきます。この状態が2~3日続くことでポジティブフィードバック機構が働き下垂体のサージ(LHの急激な分泌)が誘導されます。また成熟卵胞にはサージに反応するような受け皿(受容体)が発現しており、大量のが分泌されると、これに反応して排卵という現象が起こるのです。

 排卵が起きると卵胞内のエストロゲンを作っていた細胞は、黄体ホルモンを作る細胞に速やかに変化していきます。黄体ホルモンは基礎体温を上昇させるため、基礎体温表では高温相に移行していきます。黄体細胞の寿命は約2週間程度であり、子宮内で妊娠が成立していなければ、急速に血液中の濃度が低下して、子宮内膜に入り込んでいたらせん動静脈が萎縮してしまい、子宮の筋層から厚くなっていた子宮内膜がはがれる現象が起こります。これが月経です。

02.精子発生から射精まで

精巣(睾丸)内で産生された精子細胞は、精細管に集められてゆっくりと精巣上体(副睾丸)までやってきます。ここでは、精管上皮から多くの分泌液(糖質、脂質、糖脂質)が出ており、受精する能力や運動する能力を獲得し(約10日間)、その後、精巣上体尾部で蓄えられています。

 射精の命令がくると、精巣上体尾部に貯まっていた精子は、精管の蠕動運動により精管を通り、精管膨大部に運ばれます。そして、中枢の興奮が最高に達すると、精嚢液や前立腺液とともに射精されるのです。(その時、内尿道括約筋が閉鎖して膀胱への精液の逆流を防ぎます。)

03.排卵から受精まで

排卵した卵は卵丘細胞に守られながら、卵巣に覆い被さっている卵管采に取り込まれます。

子宮の方向に移動しながら卵管膨大部で初めて精子と出会います。精子は排卵の時期に性交渉で膣に射精され、子宮頚部→子宮体部→卵管を進み、幾多の障害にうち勝って卵管膨大部までやってきます。

ここまで到達する精子はわずか数百匹で、卵子を守っていた卵丘細胞を分解しながら卵子に向かっていきます。
卵子にたどり着いた精子のうち、一匹だけが卵子を守っている透明帯を貫通して卵子内に進入し、精子の核と卵子の核が融合します。これを受精と呼びます。

04.受精から胚発育

受精が成立すると、細胞質の中に雄性前核と、雌性前核が現れます。これを前核期胚と呼びます。

胚は細胞質の分割を繰り返しながら、卵管膨大部から子宮内へと移動していきます(B~C)。

最終的に胚盤胞という形態になって子宮腔内に入ってきた胚(D)は、子宮内膜に接着して孵化し、着床が成立します。

05.着床

胚盤胞は、子宮内膜上皮に接着し、透明体が破れて孵化します。そして細胞の塊が子宮筋層に浸潤して着床が成立します。これが妊娠の最初の現象です。

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