新年あけましておめでとうございます。

コロナ禍での診療も3年目に突入し、コロナ対策下での診療体制維持と不妊治療かつ治療成績の両立に苦慮する期間でした。現在も新たな変異株が猛威を振るっておりますが、今までとおり安全な医療提供できるようにスタッフ一同尽力してまいりたいと思っておりますので、患者様方にはある程度のご不便をおかけすることもあるかと思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、我々天の川レディースクリニックグループは、昨年より本格的にひらかたARTクリニックと共同診療体制を築いてまいりました。おかげをもちまして、2021年度の全妊娠者数は630名となり、そのうち体外受精治療で妊娠された方は461名で胚移植当たりの妊娠率も47.3%と全国平均を大きく上回り、開院以来最高の治療成績となりました。

この要因としまして、胚培養環境の最新化による充実・患者様個々の栄養学的評価に基づいたサプリメンテーションの長期的効果・当然ではありますが医師-培養士間の緻密な情報共有などが考えられると思います。また昨年は、長期妊娠されなかった方々の妊娠例が相次いで報告されました。もちろん患者様の頑張りがあってのことではありますが、遺伝子解析による着床能評価・子宮内膜再生医療・受精卵染色体検査・酸化ストレス改善によるサプリメンテーション等も少なからず寄与していると感じております。

我々グループの医療コンセプトは、担当医師・培養士・看護師が一体となり患者さんの医療情報共有のもとに、担当医を限定して患者様の状況から治療方針までを一貫して担っていることです。またこの際、患者様方にも現状把握をなるべくわかりやすく説明させていただいております。

皆様ご周知のように、2022年4月より体外受精治療に保険適応されることが決定しております。まだまだ正確なことは公表されていませんが、一定層の患者様方には経済的恩恵があると思います。しかし40歳以上の方への治療回数制限や難治性不妊に対する治療オプションは使いづらい状況になると考えられ、今まで以上に患者様個々のきめ細やかな治療方針が必要となると思います。このためには、医療サイドと患者様との意思疎通は非常に重要な要素となり、複数人の担当医によるマニュアル化された方針では困難であると考えます。我々天の川レディースクリニックグループでは、上記コンセプトに基づいて、今後も患者様の納得の行く治療を提供していきたいと考えます。

皆様どうぞよろしくお願いいたします。

天の川レディースクリニックグループ 統括院長 中村 公彦

ひらかたARTクリニック        院長 加来 翔志