男の子が思春期の時期に気を付けること
8月27日(火曜日)
さて、今日は「男の子」の注意点について。
わたしも性教育の講演で中学校や高校にちょこちょこお邪魔していますが
なかなか産婦人科医という職業柄、
女子生徒に対してはいろんなことを語れるけれど
男子生徒に対していかに思春期を過ごすのがいいのか、
なかなか突っ込んでは語り切れませんでした。
先日の思春期学会で小児科、泌尿器科の先生と
たくさんお話しできる機会があったので、
そこで得た知識を少し還元していきたいと思います。
不妊の現場においても
男性側の原因でなかなか妊娠に至らないこと、結構多いです。
年々増えてきている気がします。
その理由は多岐にわたりますが、
思春期世代の過ごし方によって回避できるケースもあります。
①時々自分のタマ(睾丸)を触ってみてください
女性は二次性徴は乳房発育→陰毛→身長がのびる→月経の順でおきますが
男性は最初に精巣が大きくなるのが二次性徴のスタートです。
女性の平均初潮は12.3歳
男性は精通を経験するのが年々遅くなってきていて、
15歳までに精通を経験するのは1980年代は80%いたのに対し
現在は50%程度と言われています。
女性の生理と違って、射精するかどうかってなかなかわかりにくい。
そこで、一つの目安です。
14,5歳ごろに自分の精巣のサイズがどのくらいあるか、
少しだけ興味を持ってみてください。
3㎝あればOK、それより小さい気がする方は
・小児科(内分泌専門のところ)
・内分泌内科
・泌尿器科(アンドロロジーというのを専門にしているところ)
に一度相談してみるものいいかもしれません。
早め早めに必要なら医療介入をすることで
将来の男性不妊や骨粗しょう症の予防につながることもあります。
②やっぱり時々自分のタマ(睾丸)を触ってください
精巣がん、実は20代~30代に多いがんです。
実は触ってわかります。
睾丸を触ってみて、うずらの卵のようにつるつるしているとOK
アボガドのようにごつごつしている場合は一度泌尿器科を相談してみてください。
③お腹痛いと吐き気があるとき
睾丸が腫れていないかも少しだけ気にしてみて
睾丸が痛い!ならきっと気にするし診察もすると思うしわかりやすいですが、
痛すぎて吐き気がしてどこが痛いかわけがわからなくなる時あります。
12-18歳のちょうど思春期世代に精巣捻転(精索捻転)が起きやすいです。
急激な疼痛で出現し、
腹痛と嘔吐で内科を受診、睾丸の診察を見落としてしまうこともあります。
発症すると8時間以内にド緊急で手術をしないと駄目な病気
こんなことが思春期世代男子に起きやすい、と
ほんの少しだけ頭の片隅に入れておいていただければと思います(*^-^*)