妊活において必要なものは?パート3
おはようございます。
今日は妊活において必要なもの第3弾。
卵管についてのお話をさせていただこうかと思います。
子宮卵巣という女性特有の臓器は本当に神秘です。
膣と子宮はつながっていて、子宮と卵管はつながっていて、
卵管は卵巣から飛び出す卵子をキャッチするために卵巣に対して開口している臓器ですが
上の絵の青い線のように卵管の端っこに腹膜という膜があり、その膜で卵巣と子宮は場所が分けられています。
卵管はその内外を疎通させている臓器なんですが、
こんな臓器は女性にしかなくて、男性は腹膜の中と外の臓器は完ぺきに分かれているんです。
これは、子宮内でそだてた赤ちゃんを外の世界に生み出さないといけないから。
だから子宮は腹腔の外の臓器になります。
そして、その不思議な臓器ゆえの、女性に多いトラブルがあるんです。
外の世界とつながっている膣は雑菌がいて当たり前。
それに伴って大なり小なり炎症が起きたりするのもごく日常的なことです。
本来はその炎症は上に上がっていかないバリア機能があるんですが
それが破綻して上行的に感染が上がっていくことがあります。
卵管の端から炎症がおなかの中に波及すると、生命維持臓器がある重要空間に炎症が広がってしまう。
それを阻止するために、卵管の端っこまで炎症がやってきたら周辺の腸や脂肪が寄ってきて覆いかぶさってきて
その波及を食い止めようとします。その結果、 「癒着」 が起きます。
知らず癒着が進むことで、卵管が詰まってしまうこともあれば、ひきつれることで本来ある場所から離れてしまったり
成れの果ては腸管を巻き込んで腸閉塞を起こしたりなどします。
卵管の中に精子と卵子が入ってきて、そこで出会わない限り受精卵にならない。
まるで 「天の川」 で待ち合わせる織姫と彦星のようですが、
そう思うとうちの病院名 「天の川レディースクリニック」 って、もとは地域的な名前から選んだんだと思うんですが
なんだか、妊娠を望む方が来られる病院としてネーミングの的を得てますね~。
もしかして最初から精子と卵子が出会うのを彦星と織姫に例えてつけたんでしょうか・・・
院長って実はロマンチストなのか・・・?
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今度、ことの真相を確認しておきたいと思います(笑)
話はそれましたが、そんな精子と卵子が出会う卵管に問題がない、というのも自然妊娠には必須のポイントになります。
妊娠を考えて初めて重要となる臓器。 「卵管」
今生きていくためには全く必要ない臓器です。
本当に考えれば考えるほどに妊娠って不思議ですね。
この卵管に炎症が波及する原因は種々ありますが、圧倒的に多いのが 「クラミジア感染」 です。
クラミジアは最近は知識が普及してきたこともあり、皆さんが気にされ、早く調べて、早く治療されるようになってきていることからも
全体の患者数は年々減少傾向にありますが、それでも性感染症の中で断トツ多いです。
今妊活をしているのではなくても。 将来の来るべき時のために。
外来ですぐに検査できますので、ご心配な方は是非一度相談に来ていただけたらと思います。