妊娠成立までの過程と治療

1 卵胞発育 卵胞発育促進剤(経口薬・注射薬) / その他のホルモン剤・漢方薬併用
2 排卵と射精 タイミング法 / 排卵誘発剤(hCG製剤) / 人工授精法(AIH、HIT)
3 卵管采での卵捕獲 腹腔鏡下手術 / 体外受精法
4 受精と胚発育 体外受精法 / 顕微授精法 / 精巣内精子採取術
5 胚の卵管内輸送 卵管鏡下卵管形成術 / 体外受精法
6 子宮内膜着床の成立 黄体ホルモン補充および賦活療法 / 子宮鏡下手術
体外受精-孵化補助術(Assisted Hatching)/ 胚盤胞移植 / 2段階胚移植

一般不妊治療

01.タイミング療法(自然周期、排卵誘発周期)

基本検査で特に問題がないと判断した場合には、約6~8ヶ月間はタイミング療法を行います。
必要であれば内服・注射薬の排卵誘発等も行い、超音波検査で成熟卵胞を確認しタイミング指導します。タイミング後に排卵が起こっているかどうかを確認し、基礎体温表をつけておられれば、毎周期ごとに黄体期の解説を行い次の診療に役立てています。

02.漢方治療

種々の漢方薬を導入し、排卵誘発剤と併用することで良好な卵胞発育等を促しております。

03.男性不妊症薬物療法

2012年12月より男性不妊専門外来を開設し、性機能障害も含めた積極的な治療をおこなっております。

04.人工授精(AIH)・子宮鏡下卵管内人工授精法(HIT)

ご主人様から採取された精液を洗浄・濃縮し、細いチューブを使用して奥様の子宮腔内に入れることを人工授精法(AIH:Artificial Insemination by Husband)といいます。
男性不妊、原因不明の機能性不妊症、頸管粘液が不足して精子が子宮内に入りにくい場合などに実施します。
精液中には、雑菌が存在することもあり、射出された精液をそのまま子宮内に入れたのでは、感染を起こして卵管が閉塞する原因や腹膜炎の原因となることもありますので、洗浄・濃縮した精液を用います。
精子濃度が少ない場合や精子の運動性が悪い場合には、子宮鏡を使って特殊なチューブで精子を直接卵管内に注入して卵子と受精しやすくする子宮鏡下卵管内人工授精法(HIT:Hysteroscopic insemination into tube)も積極的に行っています。