思春期セミナー第1回終了!ピルについて
今日は第1回、思春期セミナー開催日!
平日の午前の開催にもかかわらずご参加くださった方々と、カフェのコーヒーを飲みながらの開催でした。
現在の小学校・中学校・高校の性教育の実情と現在の思春期世代の現状、生理にまつわるお話、日常生活の気を付けるポイント、
男の子の育て方などなどのお話をさせていただきましたが
ピルの話が少し出たので、今日はここでもご紹介させていただこうかと思います。
海外の多くの国では実はピルはコンビニなどで購入可能なんです。
日本でピルが処方薬から一般用医薬品にならない理由に、ピルの普及が遅れているという現状があります。
ヨーロッパではピル使用率は高く、ドイツでは50%以上、オランダやフランスでも40%以上となっていますが
日本の普及率はたったの1.1%。
フィンランドやイギリスでは10代の子供たちにピルを無料配布したりもしています。
日本で1999年低用量ピルの使用が解禁となって以降、外来をしていてもピルに対するイメージに誤解があるように思います。
避妊目的のための薬だ
ピルを飲んでいる人は性にだらしない人だ
副作用が怖いきつい薬だ、などといった感じです。
ピルは決して避妊目的のためだけの薬ではありません。
そのほかに、月経移動、月経痛緩和、生理不順緩和、過多月経緩和、過長月経緩和、子宮内膜症予防などにも使用されます。
古いですが有名な論文で、1965年、日本で10480名の女性に対して行った大規模調査で
10-15歳で41.3%に月経痛を、23.9%に月経困難症を
16-20歳で65.7%に月経痛を、35.7%に月経困難症を認めているという結果があります。
(月経困難症;日常生活に支障をきたすほど月経痛がひどい状態)
また、昨今、月経痛を感じる女性の割合が以前に比べて増えてきているといわれています。
そして、月経痛を感じている人は、月経痛がない人の2.6倍子宮内膜症に将来的になる確率が高いといわれています。
子宮内膜症はゆくゆくは不妊の原因になったり、
卵巣が腫れてがん化することや、生理の量が多くて貧血になったり、を引き起こす可能性があります。
ピルで女性ホルモンをコントロールすることで、月経にまつわる様々なトラブルの緩和を図ることができます。
もちろん望まない妊娠予防にもなります。
厚生労働省の統計から、
2016年度15-19歳の出産件数はやや減少していますが、14歳以下の出産件数は増加しています。
2016年の10代の妊娠25761件中、56.9%は中絶、43.1%は出産に至っています。
知識がない、誰にも言えない、ではなく、
間違った知識をネットから得るのではなく、
正しい知識と相談できる場所を、周りの大人がきちんと提供できるようにしないとな、と思います。
ちなみに、女性の二次性徴は乳房発育→陰毛→身長がのびる→初潮が来る、という順番で来るので
初潮が来る前にピルを開始すると身長の成長がゆるやかになり低身長になるリスクがありますが
生理が1度でもきた方は内服を開始することが可能です。
副作用としては一般的な薬と同じように、体に合わなければ吐き気が出たり、湿疹が出たり、等はありますが
ピルとしての副作用で注意するべきは大きく2つ。
これについてはまた次回詳しく説明させていただきます!
興味はあるけどなんだか怖い、ピル以外の方法も知りたい! という方は、
ぜひ我慢したりせず、一度相談にいらしてください。
納得いくまでメリットやリスクの説明をさせていただきます。
一緒に、人生で450回もある生理と快適に向き合える方法を考えましょう(*^-^*)